TOP

MENU
がん・病院・保険
がんの治療、お金、予防のこと

 ホーム    がんの治療にかかる費用    高額療養費制度の使い方

高額療養費制度の使い方

健康保険などの公的医療保険に入っていると、医療費の自己負担は、実費の1〜3割です。
かなり助かりますが、それでもがんの入院などでは、自己負担額はそれなりになります。

たとえば、がんの入院1回あたりの医療費実費は平均約108万円に上ります。3割負担なら324,000円の自己負担になります。

そこで、健康保険などの公的医療保険には、高額療養費制度が組み込まれていて、治療費が高額になったときに、さらなる経費支援をしてくれます。

このページでは、高額療養費制度について、ご案内します。

健康保険などの公的医療保険制度

高額療養費制度の説明に入る前に、その母体である健康保険などの公的医療保険制度の仕組みを、確認しておきます。

5つの公的医療保険制度

公的医療保険は、保障される対象者(被保険者)別に、5つの制度に分かれています。

制度 被保険者 窓口
健康保険 民間企業の勤労者
  • 全国健康保険協会
  • 健康保険組合
船員保険 船員 全国健康保険協会
共済組合 公務員、私学の教職員 各共済組合
国民健康保険 上の3つに該当しない人 市区町村
後期高齢者医療制度
  • 75歳以上の人
  • 65歳以上で認定された人
後期高齢者医療広域連合

上のいずれかに入っていれば、医療費の負担は実費の1〜3割になります。また、高額療養費制度も利用することができます。

公的医療保険制度の医療費自己負担割合

上のいずれかの制度に入っていたら、病院・診療所を利用したときの費用負担は、かかった医療費の1〜3割にとどめられます。

自己負担割合は、下のようになります。

条件 自己負担割合
小学校入学前 2割
小学生〜69歳 3割
70歳〜74歳 一般 2割
現役並み所得者 3割
75歳以上 一般 1割
現役並み所得者 3割

“現役並み所得者”とは、70歳以上の高齢受給者のうち、標準報酬月額が28万円以上の被保険者とその家族です。

公的医療保険で保障される費用の範囲

病気・ケガの治療にかかった費用は、原則として公的医療保険の対象になりますが、例外もあります。たとえば、以下のような費用です。

なお、入院したときの食費は、上の1〜3割の自己負担割合とは別扱いとなります。下で、高額療養費制度と合わせて説明します。

先進医療は対象外

先進医療は、健康保険など公的医療保険の対象外です。ただし、未認可の治療法とは、取扱に違いがあります。

未認可の治療を受けると、その費用の一切が公的医療保険の対象外になります。
これに対して、先進医療は、例外的に、保険診療との併用が認められています。

つまり、先進医療そのものの費用は全額自己負担になりますが、それに伴う入院とか投薬とか診察などの費用は、保険診療として1〜3割負担になります。

詳しくは、以下の記事をご覧ください

高額療養費制度を使うと、自己負担の月ごとの上限が決まる

がんのような病気の治療を受けると、自己負担が実費の1〜3割になっても、そこそこの金額になります。

そこで、高額療養費制度の出番です。この制度を利用すると、高額な治療を受けても、自己負担は年齢・収入によって決まる限度額を超えません。

ちなみに、この制度は、健康保険などの公的医療保険に入っていれば、誰でも利用できます

年齢・収入ごとの自己負担の上限

この制度では、70歳を境目にして、自己負担額の計算方法が異なります。

70歳未満

被保険者の所得によって、5段階に分けられています。

標準報酬月額 自己負担限度額 4月目
以降
報酬月額
83万以上 252,600+(実費-842,000)×1% 140,100
81万以上
53~79万 167,400+(実費-558,000)×1% 93,000
51.5万~81万未満
28~50万 80,100+(実費-267,000)×1% 44,400
27~51.5万未満
26万以下 57,600 44,400
27万未満
市区町村民税の非課税者等 35,400 24,600

報酬月額とは、1ヶ月あたりの総収入額(サラリーマンなら基本給のほか、各種手当を含む)を指します。

高額療養費制度では、報酬月額をもとに50の等級に分類されます。そして、等級ごとに計算で使う金額が千円単位で決められています。この金額を標準報酬月額と呼びます。

ご自身の標準報酬月額を正確に知りたければ、健康保険の制度ごとの窓口に確認しましょう。

公的年金制度にも標準報酬月額があります。健康保険の標準報酬月額と仕組みは同じですが、等級の分け方が異なります。

70歳以上

70歳以上の人は、下表の取扱になります。

現役並み所得者
(標準報酬月額28万以上で高齢受給者証の負担割合が3割)
外来
(個人ごと)
57,600
外来・入院
(世帯)
80,100+(医療費-267,000)×1%
[4月目以降:44,400]
一般所得者
外来
(個人ごと)
14,000
外来・入院
(世帯)
57,600
[4月目以降:44,400]
市区町村民税の非課税者等
外来
(個人ごと)
8,000
外来・入院
(世帯)
24,600
所得(=収入-経費)がない人
外来
(個人ごと)
8,000
外来・入院
(世帯)
15,000

上表の一般所得者は、現役並み所得者にも低所得者(表の下の2行)にも、当てはまらない人のことです。

高額療養費制度の、お金の精算方法

高額療養費制度は、原則的には治療後の精算です。以下で、手続きの大まかな流れを説明します。

標準的な手続きの流れ

治療後に医療機関の窓口で健康保険などの自己負担(1〜3割)分の支払いをしたあと、高額療養費制度の手続きをすると、払いすぎた金額が後で戻ってくる・・・というのが、高額療養費制度の基本の流れです。

手順をフローにすると、下のようになります。

医療機関で治療を受ける
医療機関の窓口で、健康保険などの自己負担分(1〜3割)を支払う
高額療養費の支給申請をする(健康保険組合や市区町村の窓口へ)
自己負担限度額を超えた金額が払い戻される

なお、高額療養費を請求する窓口は、以下のとおりです。

制度 窓口
健康保険
  • 全国健康保険協会
  • 健康保険組合
船員保険 全国健康保険協会
共済組合 各共済組合
国民健康保険 市区町村
後期高齢者医療制度 後期高齢者医療広域連合

この手続きだと、医療機関の窓口で、いったんは高い料金を支払うことになります。
がんの入院のような費用が高額になりやすいケースだと、自己負担割合が3割の年代にとって、いささか負担になります。

実は、これを避ける方法があります。

医療機関の窓口での支払いを安くする方法

医療費が高額になることが、あらかじめわかっているときは、医療機関の窓口での支払いを、自己負担限度額に抑える方法があります。

医療機関に支払いをする前に(治療前や治療中でも可)、公的医療保険の窓口で手続きして、限度額適用認定証を発行してもらいます。

限度額適用認定証

そして、医療機関の窓口で、健康保険等の保険証といっしょに、限度額適用認定証を提示すると、自己負担限度額までの支払いになります。

なお、限度額適用認定証の発行は、70歳未満に限られます
つまり、70歳以上の方は、医療機関の窓口で、公的医療保険の自己負担割合分を、いったん支払わなければなりまぜん。

高額療養費制度の利用を前提に、保険を検討する

将来に向けて、がんの治療費の準備を始めるときに、治療費をできるだけ具体的にイメージしておきたいです。

がんの治療費を想定するときに、高額療養費制度の存在を避けて通ることはできません。

高額療養費制度を使うと、月単位の自己負担上限額が決まるので、短期間にまとまった出費になりやすい入院とか放射線治療の費用に大きく影響します

保険で言うと、入院給付金手術給付金放射線治療給付金の給付金額などを決めるときに、有力な判断材料になります。

詳しくは、以下の記事をご覧ください

このページと、関連性の高いページです。