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がんを予防する食品

このページでは、がんの予防と食品について、情報を集めて整理しています。

がんになる原因の30〜35%は食事

ちょっと古い(1996年)、しかも米国のレポートですが、専門家の間ではよく知られているらしい「Harvard Report on Cancer Prevention. Volume 1」というのに、がんの原因とそれぞれの危険度が整理されています。

図にすると、以下のようになります。

がんの原因とそれぞれの危険度

タバコと食事が、30%で並んでトップにいます。

3位の運動不足が5%ですから、タバコと食事の影響が飛び抜けて大きいです。

さらに遡って、1981年にリチャード・ドール博士とリチャード・ピート博士が発表したデータでは、以下のようになっています。

がんの原因とそれぞれの危険度

こちらだと、食物が35%で単独首位になっています。それにタバコの30%が続きます。

1996年のレポートと比べると、細かな違いはありますが、食生活の影響の大きさはゆるぎません。

どちらのデータでも、食事とタバコが過半数を占めています。
だからこそ、がんは生活習慣病とされています。

これさえやっていれば安心、と言える方法はまだない

がんと栄養成分との関係については、数多くの個別の研究があり、たとえば、野菜不足や塩分の摂り過ぎはがんになりやすい、というようなことは分かっているようです。

しかし、特定の食品やサプリメントが、がんの予防に効果があることは、いまだ医学的には証明されていないそうです。

つまり、不足するとがんのきっかけになる栄養成分は見つかっているけれど、多く摂取することでがんを予防できるものは、見つかっていないようです。

だから、がんの専門機関のウェブサイトなどを調べても・・・

というような、ざっくりとした助言に終止しています。

それでも、自分や家族ががんにかかると、ある意味命がけなので、科学的根拠が弱くても、少しでも効果を期待できそうな方法を、試したくなります。

現在の医学では科学的根拠を示せなくても、実は有効な栄養成分・食品があるかもしれません。

ただ、食事療法やサプリメントに取り組むとしても・・・

過剰摂取や栄養状態の偏りに、注意する必要がありそうです。

がんの予防に有効と考えられる食品

上で説明したように、現時点で、その効果が科学的に立証された食事療法やサプリメントは、ないそうです。

ただし、予防効果を期待される食品や、不足するとがんのリスクが高くなる栄養成分はあるようです。

米国国立がん研究センターが推奨する食品

日本のがんを専門とする医療機関のウェブサイトを見ると、野菜・果物の不足を警告しています。野菜・果物は、がん予防の鍵になるようです。

ただし、野菜・果物と言うだけでは幅広いです。もう少し絞り込みたいです。そこで、米国国立がん研究センターが勧める野菜・果物を、ご案内します。

予防効果のありそうな野菜・果物が、期待できる効果の大きさに応じて、3グループに分けられています。

最重要
  • ニンニク
  • キャベツ
  • カンゾウ(甘草)
  • 大豆
  • ショウガ
  • ニンジン
  • セロリ
  • バースニップ(ニンジンに似た根菜)
重要
  • タマネギ
  • ウコン(ターメリック)
  • 玄米
  • 全粒粉
  • 亜麻
  • オレンジ
  • レモン
  • グレープフルーツ
  • トマト
  • ナス
  • ピーマン
  • ブロッコリー
  • カリフラワー
  • 芽キャベツ
まぁ重要
  • メロン
  • バジル
  • タラゴン(ハーブの一種)
  • エンバク(燕麦)
  • ハッカ(ハーブの一種)
  • オレガノ(ハーブの一種)
  • キュウリ
  • タイム(ハーブの一種)
  • アサツキ
  • ローズマリー(ハーブの一種)
  • セージ(ハーブの一種)
  • じゃがいも
  • 大麦
  • ベリー

米国の情報だけに、日本人に馴染みの薄い食品も含まれています。

栄養成分を幅広く摂取する

がんの予防に効果があると報告されている栄養成分はいくつもあるようです。ただし、すべてのがんに効果がありそうな、万能なものはないようです。

たとえば、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは肺がん予防につながるとか、ビタミンDやカルシウムは大腸がんのリスクを下げるというように、個々の栄養成分が個別のガンに対応しています。

わたしたちとしては、すべてのがんを予防したいので、効果を期待できそうな栄養成分を、まんべんなく摂取することになりそうです。

上表を参考にしつつも、幅広く・バランス良く栄養成分を摂取することが、結局は重要なのですね。

理論的には効きそうでも、臨床試験では意外な結果に

がんのメカニズムは、徐々にあきらかにされていますが、わからないことはまだまだ多いそうです。

それゆえに、複数の症例から推察して、いかにも効果がありそうな食事・サプリメントでも、実際に患者で臨床試験すると、思いがけない結果になることが、あるようです。

β-カロテンを例をご覧いただきます。

β-カロテンは、モロヘイヤ、にんじん、ホウレンソウなどに多く含まれます。
体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは、目や皮膚を健康に保ったり、抵抗力を強めます。

大規模な臨床試験の、意外な結果

1980年代に、β-カロテンの血中濃度が高いと、肺がんのリスクが低くなる、という研究結果が発表され、注目を浴びました。

そこで、β-カロテンのサプリメントに、がん予防の期待が集まりました。そして、その効果を確認するために、大規模な臨床試験が実施されました。以下はその流れです。

1980年代、β-カロテンのサプリメント摂取が、がん(特に肺がん)の予防になるという仮説が注目を浴びる。
1980年代後半にフィンランドで、喫煙者29,000人以上参加の臨床試験が始まった。
1994年に、β-カロテンサプリメントを摂取する方が、肺がんの罹患率は16%、死亡率は8%高いという報告がなされた。
追跡調査は継続され、2003年に結果が発表された。β-カロテンサプリメントの摂取を中止することで、肺がんの罹患率は下がったが、死亡率は7%高いままだった。
2012年に、欧州食品安全機関は、喫煙者であっても、サプリメントによるβ-カロテン摂取量が15mg/日未満であれば、悪影響はないと発表した。

多くの人を巻き込み、長い期間をかけて試験・調査がおこなわれました。その結果は意外なものでした。

肺がん予防の効果を期待されたβ-カロテンですが、臨床試験をすると、むしろ逆でした。

規模の大きな臨床試験を経ないと、確かなことはわからない

食事でβ-カロテンを摂取すると、肺がんのリスクが下がるという見立ては、現在でも支持を集めているそうです(ただし、否定的な研究結果もある)。

普通に考えると、β-カロテンを抽出したサプリメントを服用すれば、肺がん予防を期待できそうです。しかし、大規模な臨床試験の結果は、上の通り意外なものでした。

しかも、こうなった理由は、まだはっきりしていないようです。現代の医学では捉えきれていない、何らかのメカニズムがあるのでしょう。

このように・・・

説明を聞いて、効果が確実と思える食事療法やサプリメントでも、実際に効くかは、臨床試験を経ないと、判断できません。

食品からβ-カロテンを大量摂取することは考えにくいので、食事のみで過剰摂取する心配はないそうです。

科学的根拠の有無と、それのレベルをチェックする

書籍・雑誌などでもてはやされているわりに、治療の現場では見かけない治療法があります。
特に、がんに関して、よく目にしたり耳にします。

どうやら、そういった治療法の多くは、科学的根拠となるデータ(エビデンスと呼ばれています)が、専門家にとっては乏しい、ということのようです。

エビデンスの5つのレベル

専門家の間で認められるためには、その治療法の効果を証明する、客観的・普遍的なデータが求められます。

特定の医療機関や医師のもとでしか効果が無いというのでは、科学ではなく、怪しげな宗教になってしまいます。

ところで、治療法の科学的根拠を示すデータつまりエビデンスは、「ある」か「ない」かの二択ではなく、信憑性の高さに応じて、5段階に分けられています。

信頼性:最高 ランダム化比較試験で効果を証明
多数の被験者を、その治療をするグループとしないグループに分けて、試験者の意図・作為が入り込まないように試験し、その治療の効果を証明する方法
信頼性:高い 非ランダム化比較試験で効果を証明
多数の被験者を、その治療をするグループとしないグループに分けて試験する。ただし、各グループの条件・属性などを、厳密にそろえていない。
信頼性:普通 分析疫学的研究で効果を証明
複数の方法があるようです。たとえば、ある病院の複数患者について、治療前後での変化を比べるとか、現在病気の集団と病気でない集団を比べるとか。特定の地域の住人を被験者にする方法もあります。
信頼性:微妙 症例報告
一人〜数人の対象者の症例の報告。エビデンスというよりは、問題提起とか仮説の提示。
信頼性:低い 専門家の意見・報告
患者や症例などのデータに裏付けられない報告や意見。

話題の治療法なのに、大きな医療機関で採用されていないとしたら、おそらくエビデンスのレベルが低いからです。

だから、権威ある大病院で採用するには、まず治療法としての信頼性を見極める必要があります。それには時間がかかります。

そもそも、がんのランダム化比較試験とかは、複数の大きな医療機関が連携してやることが多いようです。

マイナーな治療法を検討するときは、エビデンスレベルに注目

『○○でガンが消えた!』みたいな本を読んだり、講演を効くときには、そのエビデンスレベルを注意深くチェックする必要がありそうです。

たとえば、以下のどれかに該当するなら、エビデンスレベルは低いと考えられます。

エビデンスレベルが低くても、その治療法に効果がないとは言えません。今後、その効果が科学的に証明されるかもしれません。
エビデンスレベルが低いことを理由に、その治療法を排除しなければならない、ということではありません。

しかし、医師等から示される治療実績に説得力を感じても、エビデンスレベルが低ければ、効果は不確実だし、未確認のリスクがあるかもしれません。
そういう覚悟は必要になりそうです。

効能をアピールするだけでなく、リスクもしっかり事前説明してくれる医療機関等を、利用したいです。

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