がんの検査で早期発見
がんは転移を起こす病気です。転移を起こしているがん(ステージ3か4)の治療は難度が高く、体に負担がかかります。
それだけに、早期発見・早期治療が重視されています。できれば、自覚症状が出る前に発見したいです。
そこで注目されるのが、がん検査・検診です。
がんは転移を起こす病気です。転移を起こしているがん(ステージ3か4)の治療は難度が高く、体に負担がかかります。
それだけに、早期発見・早期治療が重視されています。できれば、自覚症状が出る前に発見したいです。
そこで注目されるのが、がん検査・検診です。
がん検診は3タイプに分けることができます。
検診の種類 | 実施するところ | 概容 |
---|---|---|
住民健診 | 市町村 | 年齢条件がある。条件をクリアしていれば、誰でも受診できる。 |
職域検診 | 職場・健保組合 | 定期検診をおこなうが、がん検診は含まれていないことが多い。 |
人間ドック等 | 病院等 | 自分で医療機関をさがして受診する。 |
厚生労働省が推奨しているがん検診の概要を下にまとめました。
検診 | 対象年齢 | 頻度 |
---|---|---|
胃がん検診 | 50歳以上 | 2年に1回 |
子宮頸がん検診 | 20歳以上の女性 | 2年に1回 |
肺がん検診 | 40歳以上 | 年1回 |
乳がん検診 | 40歳以上 | 2年に1回 |
大腸がん検診 | 40歳以上 | 年1回 |
総合がん検診 | 40歳、50歳 | - |
【参考】
がん早期発見のプロセスは2段階に分かれています。
いわゆる「がん検診」は、精密検査が必要な人をふるい分けるための検査です。
上の厚生労働省の統計によると、2021年度の各がん検診で「要精密検査」と判定されて、実際にがんだった人の割合は、下表の通りでした。
検診 | がんの割合 |
---|---|
胃がん検診(X線) | 1.91% |
子宮頸がん検診 | 1.18% |
肺がん検診 | 2.64% |
乳がん検診 | 5.84% |
大腸がん検診 | 3.05% |
がん検診の的中率は低いです。
現代の医学をもってしても、がんは簡単に発見できる病気ではないようです。だからこそ、早期発見のためにマメに検査を受けておきたいです。
近年、有名企業の健保組合が、がんの郵送検査・在宅検査を採用し始めています。
医療機関などから検査を受託している検査会社が提供するサービスであれば、高い精度で検査してくれます。
なお、以下のがん検診のついての説明は、次の2つのウェブサイトを参考にしました。
血液検査(腫瘍マーカーとも呼ばれます)は、がんの診断や治療で普通に使われています。
ただし、ほとんどの血液検査は、がんが進行しないと反応しないため、早期発見には適していません。
その例外が、p53抗体と呼ばれる腫瘍マーカーです。早期発見のために血液検査を受けるときは、p53抗体に対応した商品を選んでください。
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p53抗体の検査だけではがんの種類や部位を特定できません。また、的中率は良くても30%前後です(がんの種類によって変動します)。
胃がんを確定する診断は内視鏡検査とレントゲン検査です。この検査は在宅ではできません。
血液検査(腫瘍マーカー)は信頼性が落ちるようです。また、ピロリ菌の検査は、胃がんになりやすいかを調べるためのもので、胃がんの有無の判定とは言いがたいです。
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子宮がんの検査の第一段階は細胞診検査(子宮の細胞をとって調べる)です。このタイプの検査キットがお勧めです。
血液検査(腫瘍マーカー)は診断の補助的な検査で、信頼性は落ちます。
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肺がん検診でよくおこなわれるのは、X線検査です。喀痰細胞診(タンの検査)がおこなわれることもあります。
自宅でおこなえる有効な検査は喀痰細胞診ということになります。
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乳がん検査の第一段階でおこなわれるのは、視診・触診、マンモグラフィ、超音波(エコー)検査です。
現在のところ、乳がんの早期発見につながる腫瘍マーカー(血液検査)はありません。
ですから、市販されている血液検査やだ液検査の検査キットは、少なくとも早期発見には役立ちにくいと考えられます。
自宅でできる有用な検査は、自己視診・触診です。
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大腸がんを確実に診断できる方法は大腸内視鏡検査です。この検査は在宅ではできません。
はじめの検査として一般的なのは便の検査(便潜血検査)です。
血液(腫瘍マーカー)の検査は、お勧めできません。進行したがんの検査には有用ですが、早期発見の的中率は低いです。