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東京海上日動あんしん生命のがん保険「がん診断保険R」を徹底分析

東京海上日動あんしん生命は、社名から分かるように、日本を代表する損保会社の一つ東京海上日動のグループ会社です。

若い会社ながら急成長

東京海上日動あんしん生命の設立は1996年で、まだ若い会社です。しかし、業績を順調に伸ばしています。

2017年度末の個人保険新規契約高(新契約年換算保険料)では、全41社中5位でした。大手生命保険会社と肩を並べるレベルになっています。

東京海上日動あんしん生命と順位の近い生命保険会社を以下に抜き出しました。

順位 会社名 新規契約高
3位 明治安田生命 1276億円
4位 住友生命 1207億円
5位 東京海上日動あんしん生命 1166億円
6位 第一生命 980億円
7位 メットライフ生命 973億円
8位 大同生命 918億円
9位 アフラック 885億円

東京海上日動あんしん生命が設立された1996年に保険業法が改正され、保険業界は自由化に進みました。

同時期に、大手保険会社系列、外資系、異業種からの参入などで、いくつもの生命保険会社が新しく設立されました。

それらの中で、東京海上日動あんしん生命の躍進は目覚ましいものがあります。

東京海上日動あんしん生命の2つのがん保険

東京海上日動は、2つのがん保険を販売しています。

「がん治療支援保険NEO」は、一般的なタイプのがん保険です。

一方の「がん診断保険R」は、東京海上日動あんしん生命の独自性が強く打ち出された商品です。他社にはない健康還付給付金が特徴です。

このページでは、「がん診断保険R」を徹底分析します。

「がん治療支援保険NEO」については、「がん治療支援保険NEO」を徹底分析をご覧ください。

「がん診断保険R」の強み・弱みを総チェック

東京海上日動あんしん生命「がん診断保険R」のメリット・デメリットを、このサイトが重視する7つの切り口でチェックしました。

7つの切り口で、「がん診断保険R」を評価

「がん診断保険R」を、7の切り口で評価しました。

評価はの数で表します。最高が★★★で、最低が★★★です。

★★が不満のない水準です。

評価項目 評価
保障の手厚さ・幅広さ ★★
プラン設計の柔軟性 ★★★
耐久性 ★★
医療保険との相性 ★★★
診断給付金の手厚さ ★★★
通院保障の手厚さ ★★
割安感 ★★
総合評価 ★★

保障は薄いけど割安感が高いとか、診断給付金重視型とか、商品ごとに個性があります。の多い少ないだけで商品を評価するのは危険です。

「がん診断保険R」は、健康還付給付金という独自の仕組みがあります。

このがん保険を選ぶかどうかは、健康還付給付金を選ぶかどうかです(詳しくは、下で説明しています)。

健康還付給付金の他に主契約に組み込まれているのは、診断給付金です。

診断給付金は、もともと使い勝手が良くて頼りになりますが、「がん診断保険R」の診断給付金は、他社と比べて優れています。

各評価項目の趣旨・意味

上の評価項目のうち、補足説明が必要そうなものについて、その趣旨とか意味合いを以下で説明します。

保障の手厚さ・幅広さ

がんは、日本人にとって最も重要な病気の一つだけに、医療技術の開発は活発です。治療法は多岐にわたります。

多様ながん治療を、どれだけ幅広くフォローできるかを判定しています。

プラン設計の柔軟性

がん保険から出る給付金は、加入している本人が自分のために使います。よって、加入者それぞれの、預貯金、収入の見込み、健康への心配事などに、柔軟に対応できることが望ましいです。

また、すでに医療保険や医療特約に入っていると、がん保険は、それらと共存できる入り方をしたいです。

保障プランを柔軟に設計できると、加入者のニーズに適確に応えられますし、保障のムダをなくせて経済的です。

耐久性

がん保険は、一生続ける可能性が高い保険です。保険を使うのは、加入してから数十年後になるかもしれません。

長い年月保険料を払い込んで、いざ保険を使うときになって、保障が経年劣化していては困ります。

あたり前のようですが、これができていないがん保険は、意外とあります。

診断給付金の手厚さ

医療技術の進歩に伴い、がんの治療法は多様化しています。今後もこの傾向は続きそうです。

そうした変化にもっとも力強く応えてくれるのが診断給付金(一時金)です。

また、早いタイミングでお金が手元に来るので、使い勝手も良いです。

診断給付金は、ほぼすべてのがん保険にありますが、中身は少しずつ異なります。

通院保障の手厚さ

がんの入院保障(保険による入院費用の準備)は、現代の医療保険やがん保険の入院給付金で、十分に対応できます。

一方、通院保障については、がん専用の通院給付金を提供する商品は増えているものの、まだまだ発展途上です。

医療保険との相性

医療保険に入っている人が、がん保険に入る場合、どちらも医療系の保険なので、保障の重複が起こりやすいです。

重複は保険料のムダづかいになります。医療保険との組み合わせやすさを判定しています。

診断給付金メインのシンプルながん保険

「がん診断保険R」を構成する給付金と、その支払条件を下表にまとめました。なお、*印は特約です。

給付金 支払条件
診断給付金 がんまたは、過去に治療したがんの再発・転移の診断が確定したとき、100万円~300万円の一時金が出る。
健康還付給付金 70歳になると、それまでに払い込んだ主契約の保険料が戻ってくる。
入院給付金* がんのために入院したちとき、入院日数分の給付金が出る。
手術給付金* がんのために所定の手術・放射線治療を受けると、一時金が出る。
通院給付金* がんのために所定の入院をしたときに、入院前60日以内退院後180日以内の通院費用が、日数分出る。
診断保険金* 初めてがんと診断されたときに、一時金が出る。
治療給付金* 入院または通院で、抗がん剤治療を受けたら、月単位で一時金が出る。10年更新型。
先進医療給付金* がんのために所定の先進医療を受けたとき、先進医療の技術料相当額が出る。10年更新型。

主契約(必須の保障)は診断給付金と健康還付給付金の2つとシンプルです。

健康還付給付金は、がん保険では「がん診断保険R」にしかない給付金です。よって、この給付金を気に入るかが、分かれ目です。

なお、健康還付給付金は、医療保障に直接かかわる給付金ではありません。がんの治療に使える保障で、主契約に組み込まれているのは、診断給付金だけです。

これに6つの特約を組み合わせることができます。

健康還付給付金が最大の特徴

健康還付給付金の特徴を簡単に整理すると、以下のようになります。

健康還付給付金の仕組みそのものは、そんなに複雑ではありません。

しかし、損か得か、どんな入り方が得か等を考え始めると、けっこうややこしいです。

というのは、健康還付給付金を受け取る70歳までだと、この商品は貯蓄型のがん保険のように見えます。また、東京海上日動あんしん生命も、そいういアピールをしています。

しかし、健康還付給付金が出るのは1回きりで、受け取った後は一生保険料を払い込むことになります。つまり、70歳以降は掛け捨て保険です。

というように、まぎらわしい仕組みなので、損得の判断が難しいです。

下で、詳しく分析しています。

保障プランの自由度は高い

保険会社にとっては、同じがん保険に加入してもらうにしても、給付金の数が多いほど儲かります。

そのせいか、主契約(必須の保障)に、多くの給付金を盛り込むがん保険が多いです。

そういうがん保険は、一見保障が手厚く見えます。しかし、実際には不便です。

予算に合わせて保障内容を調節するとか、個別のニーズに合わせて保障プランを作ることが、難しいです。

その点、「がん診断保険R」は、主契約がシンプルです。そこに、複数の特約を付加して、いろんな保障プランを作成できます。

医療保険などと組み合わせやすい

医療保険の主契約には、入院給付金と手術給付金が組み込まれています。そしてもちろん、がんのときでも、これらの給付金は出ます。

よって、医療保険と組み合わせるとき、がん保険に入院給付金は必要ありません。あると、医療保険の入院給付金と重複してしまいます。

保障の重複は、保険料のムダにつながります。

入院給付金を主契約に組み込んでいるがん保険は多いですが、「がん診断保険R」は例外の一つです。入院給付金は特約で用意されています。

よって、医療保険と組み合わせるときに、「がん診断保険R」にがん入院特約を付加しなければ、保障の重複は起こりません。

健康還付給付金の仕組み

健康還付給付金の仕組みを簡単に図示すると、下図のようになります。

健康還付給付金の仕組み図

保険料の払込期間は、終身払込です。

ただし、70歳に達すると、それまでに払い込んだ保険料の総額がもどってきます。このもどってくるお金が、健康還付給付金です。

なお、健康還付給付金としてもどるのは、主契約の保険料で、特約保険料はもどりません(掛け捨てになります)。

全体としては掛け捨て保険

もどってくるのは1回限りです。そして、もどってきた後も、保険料の払込は続きます。

健康還付給付金を受け取った時点(=70歳)で、いったんはプラス・マイナスがゼロになります。その後の保険料は、保険を使って受け取らない限り戻らないので、すべて掛け捨てになります。

つまり、保険料を合計すると、掛け捨てになる保険料の方が多いです。「がん診断保険R」は、全体としては掛け捨て保険です。

70歳までに受け取った給付金は差し引かれる

上の図に書き込んでいない重要な仕組みがあります。

健康還付給付金を受け取るまでに、病気・ケガなどにより、診断給付金を受け取ったときは、その金額分が健康還付給付金から差し引かれます。

たとえば、健康還付給付金を受け取る70歳までに、保険料を合計200万円払い込んで、かつ保険を一度も使わなかったとします。
そのとき、健康還付給付金は200万円になります。

健康還付給付金の仕組み図(保険を使わなかったとき)

次に、上と条件は同じですが、65歳のときに入院して、保険から30万円を受け取ったとします。そのときは、下図のようになります。

健康還付給付金の仕組み図(保険を使ったとき)

65歳のときに保険から出た30万円を差し引いた、170万円を健康還付給付金としてもらえます。

このときも、70歳までに受け取る金額を合計すると200万円になります。

つまり、保険を使っても使わなくても、70歳までに払い込んだ主契約の保険料は、戻ってきます。

保険料は、一般的ながん保険より多少高い

「がん診断保険R」の保険料を、同社の一般タイプのがん保険「がん治療支援保険NEO」の保険料と比較します。

下表の金額は、それぞの年齢の女性が、診断給付金100万円で特約をフル装備したときの月払い保険料です。( )は主契約のみの保険料です。

ちなみに、「がん診断保険R」にあって「がん治療支援保険NEO」にないのは、健康還付給付金です。

逆に、「がん治療支援保険NEO」にあって「がん診断保険R」にないのは、悪性新生物保険料払込免除特則(がんの診断が確定すると、以降の保険料払い込みが免除される)です。

加入
年齢
がん治療
支援保険
NEO
がん診断
保険R
30歳 4,429円 5,272円
(3,150円)
40歳 6,657円 7,058円
(3,565円)
50歳 8,840円 8,801円
(3,900円)

若いと「がん診断保険R」の方が多少高くなりますが、年齢が高くなるにつれて差は縮まっています。そして、50歳の保険料では逆転しています。ほぼ同額ですが。

( )の金額のとおり、年齢が上がっても、健康還付給付金の保険料は、上がり幅が小さいです。

それに対して、「がん治療支援保険NEO」のみに用意されている悪性新生物保険料払込免除特則は、年齢が上がるほど、保険料も高くなるようです。

それで、年齢が高くなると、保険料の安さが逆転するのでしょう。

健康還付給付金があると、保険料累計を抑えられる

健康還付給付金のメリットが発揮されるのは、生涯の保険料を累計したときです。

上の保険料比較の、30歳のときの保険料をもとに、保険料累計を試算しました。なお、87歳というのは、女性の平均寿命です。

がん治療支援保険NEO がん診断保険R
月々の保険料 4,429円 5,272円
(3,150円)
60歳まで累計 1,594,440円 1,897,920円
70歳まで累計 2,125,920円 1,018,560円
80歳まで累計 2,657,400円 1,651,200円
87歳まで累計 3,029,436円 2,094,048円
100歳まで累計 3,720,360円 2,916,480円

どちらの保険料累計も、70歳までは、月々の保険料にあわせて、一定のペースで増え続けます。「がん診断保険R」は毎月の保険料が高いので、60歳の時点で、保険料累計が30万円以上も高くなっています。

しかし、70歳になると、「がん診断保険R」の方は、健康還付給付金1,512,000円が戻ってきます。そのため、70歳までに実質的に負担したのは、特約保険料だけになり、「がん治療支援保険NEO」より大幅に安くなります。

健康還付給付金を受け取った後、「がん診断保険R」の保険料累計は、再び毎月5272円ずつ増加し始めます。

「がん治療支援保険NEO」より速いペースで増えるので、長く続けるほど両者の差は縮まりますが、100歳でも70万円以上の差があります。

このように、保険料累計を比べると、健康還付給付金の効果は大きいです。

診断給付金は、他社より強力

がんを巡る医療技術の研究開発は活発です。がんの治療は進化し、変化し、多様化しています。

一方、がんは高齢になるほど発症しやすい病気なので、がん保険は通常長く続けます。何十年と続ける可能性があります。

となると、続けるうちに、がん保険の中身が、医療の実態とズレないかが心配になります。

がん保険の保障の中で、がん治療の進化・変化への切り札となるのが、がんの診断給付金です。

メリットが大きな診断給付金

診断給付金は、がんの診断が確定したらもらえます。つまり、その後の治療法の影響を受けません。

また、診断確定で保険会社に給付金を請求できるということは、手際よく手続きしたら、治療開始前か開始直後くらいに給付金を受け取ることができます。

受け取ったお金は、もちろん自由に使うことができます。

このような特長を持つ診断給付金なら、医療技術が進歩しても、がんという病気が撲滅されるまでは、役に立ちそうです。というか、がんが撲滅されたら、がん保険そのものが不要になります。

使い勝手の良い診断給付金だけに、ほとんどのがん保険で提供されています。「がん診断保険R」のように、主契約に組み込んでいる商品も、少なくありません。

そんな中でも、「がん診断保険R」の診断給付金は、他社より強力です。

他社より強力な診断給付金

どのがん保険の診断給付金も、パッと見は似たりよったりです。

しかし、実際に利用するときに、大きな違いになるかもしれないポイントがいくつかあります。

1回あたりの給付金額

診断給付金は、がんと診断されたら支払われます。ということは、(1)他のすべての給付金より支払条件が緩やかで、(2)他のすべての給付金より早くお金が出ます。

とても強力な給付金なので、なんだったら、治療に必要な金額のすべてを、診断給付金で準備したいくらいです。

ただし、診断給付金の金額は、加入するときに決めた金額そのまんまです。実際に治療にかかった金額がいくらであろうと、決まった金額です。

そのため、診断給付金を保障のメインにするなら、金額が足りないと困るので、できるだけ大きな金額にしておきたいです。

ところで、がんの治療のために、総額でいくらくらい用意すればいいかは、一概には言えません。がんは1回で治る病気ではなく、再発・転移することが多いため、治療費の個人差は大きくなります。

準備したい金額の目処は、がんの治療にかかる費用で説明しているように、300万円あたりです。必ず300万円かかるということではなく、そのくらいあれば、病気をこじらせても対応できそう、という意味です。

もっとも、診断給付金を300万円にしなくてもだいじょうぶです。

というのは、「がん診断保険R」では、診断給付金が複数回出るからです。1回あたりが200万円とか150万円でも、総額で300万円に届きそうです。

また、悪性新生物初回診断特約を付加すると、初めてがんの診断が確定したときに、診断給付金に加えて、診断保険金100万円が出ます。

給付金の支払い可能な回数と、支払い間隔

診断給付金は、1回のみ支払われるものと、複数回支払われるものがあります。「がん診断保険R」では、2年に1回を限度に、回数無制限で受け取ることができます。

診断給付金が複数回支払われるなら、いろんな使い方ができます。

たとえば、1回の受取額を100万円としても、最短で4年間のうちに3回受け取ることができます。合計300万円になるので、治療費の大半をまかなえてしまいます。

というように、診断給付金を、予算の許す範囲で大きく指定して(少なくとも100万円以上)、その他の給付金はできるだけカットします。

逆に、診断給付金の、お金が早いタイミングで出る特性を活かして、治療の支度金として使うこともできます。支度金なので、受取額は少なくてもOKです。その後の治療費は、入院給付金などの他の給付金でまかないます。

この方法のメリットは、診断給付金の金額を抑えることで、保険料全体が下がることです。診断給付金は、強力な分、高くなりやすいので・・・

どちらのやり方も筋が通っています。

もっとも、「がん診断保険R」の強みは、優れた診断給付金なので、前者の方が、このがん保険の強みを活かせます。

2回め以降の支払条件

各社のがん診断給付金を調べると、そのほとんどは、初回と2回め以降とで、給付金の支払条件が異なっています。

よく見かけるのは、以下のタイプです。

つまり、2回め以降のほうが、条件が少し厳しくなっています。2回目以降は、診断給付金ではなく、治療給付金です。

そのうえ、2回め以降の治療について、細かく条件を付けている商品が多大半です。たとえば、入院したときに限るとか、特定の治療(手術、放射線治療、抗がん剤治療)を受けたときに限るとか、商品によってけっこう違っています。

ところが、「がん診断保険R」は、初回も2回め以降も、がんの診断(新規or転移or再発)が確定したら、給付金が出ます。他社と比べて、特筆したい特長です。

「がん診断保険R」のお勧めプラン

「がん診断保険R」には多くの特約が用意されており、一般的な医療保険と同等の保障プランにすることは可能です。

しかし、健康還付給付金を活かすなら、特約はできるだけ付けたくありません。

特約を付加したくない理由

特約の保険料は、健康還付給付金の対象外なので、掛け捨てになってしまいます。

掛け捨てが悪いわけではありませんが・・・

「がん診断保険R」に入るなら、健康還付給付金の特長を活かしたいです。

よって、「がん診断保険R」を選ぶなら、特約は無しか、あっても最低限にしたいです。

他にも、特約を付けたくない理由はあります。悪性新生物初回診断特約以外の特約は、魅力が乏しかったり、リスクがあります。

がん入院特約 〜 がんの入院は高額になりにくい

入院などで医療費が高額になるときは、高額療養費制度(詳しくは[高額療養費制度の使い方](cost-kogaku.html)を利用したいです。健康保険など公的医療保険に入っていれば、誰でも利用できます。

この制度では、1ヶ月あたりの自己負担の上限が、年代や世帯の収入によって決まります。ということは、高額な治療を受けても、平均的な治療を受けても、治療期間が1ヶ月以内なら、わたしたちの自己負担に大きな差は出ません。

そして、がんの入院期間は、厚生労働省「患者調査」(平成26年)によると19.9日です。多少こじらせても、1ヶ月を超える可能性は低いです。

ということは、高額療養費制度の1ヶ月分に収まる可能性が高いです。

これなら、主契約の診断給付金をある程度大きくしておけば、それで入院費用をカバーできそうです。

がん通院特約 〜 中身がショボくて劣化しやすい

「がん診断保険R」のがん通院特約の機能を他社と比べると、残念ながら最低レベルです。

保障されるのは、がんで入院したときに、入院前60日以内退院後180日以内の通院に限られます。つまり、入院給付金を補うだけです。

通院のみでの放射線治療や抗がん剤治療をおこなうときは、1円も出ません。

中身が中途半端なので、どうしても欲しい特約ではありません。

がん手術特約・抗がん剤治療特約 〜 劣化が心配

がんは、高齢になるほど発症しやすい病気です。

そのため、加入してから何十年も経ってから、初めて使うことになるかもしれません。

そうなったときに、保障内容が時代遅れになっていて、期待通りに役に立たないのは困ります。

ところで、医療技術が進歩したら、変化するのは治療法です。既存の治療法がレベルアップしたり、新しい治療法が登場します。

よって、給付金支払条件の中に、具体的な治療法や、日数などの数値が指定されている特約は、時代遅れになりやすいです。

「がん診断保険R」の特約の中では、がん手術特約と抗がん剤治療特約が、これに当てはまります。

また、抗がん剤治療特約は、10年更新型です。更新のたびに保険料が値上がりする上に、90歳になったら消滅します。2017年の女性の平均寿命が約87歳なので、90歳消滅というのは気になります。

がん先進医療特約 〜 使う可能性はとても低い

先進医療は、名前の通り先進的な医療技術を使っています。

しかし、治療法としては、まだ評価・検証中の技術です。だからこそ、健康保険など公的医療保険の対象外になっています。

つまり、先進医療の治療効果は、公的医療保険が適用される治療に比べて、必ずしも優れているわけではありません。というか、先進医療の中には、却下されたり取り下げられるものも、少なくないようです。

とは言え、保険が適用される治療では効果がなく、先進医療にかけたくなる局面が訪れるかもしれません。先進医療特約は、無用の長物ではありません。

それでも、是が非でも欲しい特約ではありません。

お勧めする2つのプラン

健康還付給付金の特長を活かす2つのプランを、ご案内します。

診断給付金200〜300万円

主契約の診断給付金を200〜300万円にして、特約はまったく付けません。

そして・・・

70歳で健康還付給付金を受け取ったら、その直後に「がん診断保険R」を解約します。

受け取った健康還付給付金は、預貯金など安全性の高い方法で、がんに備えて貯めておきます。

70歳で解約することで、掛け捨てになる保険料は、限りなくゼロに近づきます。そこがポイントです。

できるだけ、健康還付給付金が300万円に近くなるように、診断給付金の金額を指定したいです。

「がん診断保険R」を解約すると、がんの保障が無くなるので、それでも不安を感じない程度の金額を、受け取りたいです。

下表は、女性がそれぞれの年齢で加入したときの、診断給付金額と健康還付給付金の対応表です。

加入年齢 診断給付金額 還付される金額
30歳 200万円 3,024,000円
40歳 250万円 3,208,500円
50歳 300万円 2,808,000円
診断給付金の金額を大きくすると、保険料も高くなります。年齢が高くなると、取りにくい方法かもしれません。

診断給付金+診断保険金で200万円

上より保険料が安くなるプランです。

診断給付金を100万円にします。そして、それだけでは不安なので、悪性新生物初回診断特約100万円を付加します。

初めてがんと診断されたときに限って、診断給付金100万円に特約から出る100万円の診断保険金を加えて、200万円を受け取れます。

2回め以降は、診断給付金の100万円だけになります。

保険料は上のプランの半額より少し高い程度になります。ただし、以下のデメリットがあります。

診断給付金100万円だと、健康還付給付金は、上のプランより減ります。例として、女性の3つの年齢での受取金額を、下表にまとめました。

加入年齢 還付される金額
30歳 1,512,000円
40歳 1,283,400円
50歳 936,000円

この金額だけで、70歳以降のがんの治療費をすべてカバーできるかは、やってみないとわかりません。

足りてしまう可能性はけっこうありますが、準備として安心できる金額ではありません。他にも財源があれば別ですが・・・

生涯の保険料累計は、一般的ながん保険より、かなり安くなります。

「がん診断保険R」の検討には、専門家を活用

ここまで説明してきたとおり、「がん診断保険R」は、損か得かの判断が難しいです。具体的に検討されるなら、保険の専門家の活用をお勧めします。

東京海上日動あんしん生命のウェブサイトでは、保険料シミュレーション機能が提供されていますが、見積もりできるプランが限定されていて、あまり使えません。

また、東京海上日動あんしん生命では、専属のライフプランナーを派遣してくれますが、そういう人は、当然ながら加入を勧めようとします。

こういう分かりにくい保険こそ、できるだけ中立性の高い専門家に相談したいです。

保険の入り方・選び方については・・・

比較していただきたい競合商品

「がん診断保険R」は、健康還付給付金という独特の仕組みを持っています。

同じ仕組みを持った、競合するがん保険はありません。健康還付給付金を気に入ったら、「がん診断保険R」一択です。

ただし、異なるタイプのがん保険も検討に加えたい、とお考えなら、以下のがん保険も候補に加えてください。

朝日生命「スマイルセブンsuper」

いわゆるがん保険ではありません。がんの他に、以下の病気が対象です。

主契約は一時金です。金額は30〜500万円の範囲で指定でき、年1回を限度に、回数無制限で受け取ることができます。

支払い条件は病気毎にきめられていますが、がんは「終身がん保険(08)」の診断給付金と同じく、がんまたは上皮内新生物の診断確定です。

特約は3つだけで、入院給付金とか通院給付金はありません。

FWD富士生命「新ベスト・ゴールドα」

主契約は診断給付金のみというシンプルながん保険です。

診断給付金は、最高300万円まで指定できます。2年に1回を限度に、回数無制限で受け取ることができます。

初回は診断確定が支払い条件で、2回目以降は、がんのための入院開始か通院することが条件です。

上皮内新生物は、主契約では保障されません。特約を付加すれば、保障されます。

特約は8つあり、いろんなニーズに対応できます。ただし、入院給付金とか通院給付金はありません。

マニュライフ生命「こだわりガン保険」

診断給付金を中心とした、シンプルな仕組みですが、他社にない特徴が色々とあります。

三井住友海上あいおい生命「ガン保険スマート」

主契約は入院給付金と手術給付金という、昔ながらのスタイルです。医療保険と組み合わせるのには、向いていません。

特約は6つですが、診断給付金(ガン診断給付特約)と通院給付金(ガン治療通院給付特約)も用意されています。

通院給付金の内容がとても優れています。がんと診断確定された日から5年間の通院が保障されます。5年経過後に再度診断が確定したり入院したら、さらに5年間保障されます。

診断給付金も、1年に1回を限度で100万円が出ます。これなら診断給付金だけでも、治療費の大半をカバーできそうです。

保険の入り方・選び方については・・・

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