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チューリッヒ生命「終身ガン治療保険プレミアムDX」を徹底分析

チューリッヒ生命は、スイスのチューリッヒ・インシュアランス・グループの日本支店です。

チューリッヒの名前は、がん保険より、自動車保険の方が有名かもしれません。

こちらはチューリッヒ保険会社名義で販売していますが、根っこはチューリッヒ・インシュアランス・グループです。

自動車保険に比べると、チューリッヒの生命保険商品の存在感はまだ低いです。しかし、医療保険、がん保険、終身保険、定期保険、収入保障保険、就業不能保険など、各ジャンルでユニークな商品を提供しています。

そんなチューリッヒ生命のがん保険「終身ガン治療保険プレミアムDX」を徹底分析します。

チューリッヒ生命「終身ガン治療保険プレミアムDX」の長所・短所

チューリッヒ生命のがん保険「終身ガン治療保険プレミアムDX」のメリット・デメリットを、このサイトが重視する7つの切り口でチェックしました。

「終身ガン治療保険プレミアムDX」を7つの視点で総点検

「終身ガン治療保険プレミアムDX」を、7の切り口で評価しました。

評価はの数で表します。最高が★★★で、最低が★★★です。

★★が不満のない水準です。

評価項目 評価
保障の手厚さ・幅広さ ★★★
プラン設計の柔軟性 ★★
耐久性 ★★★
医療保険との相性 ★★★
診断給付金の手厚さ ★★
通院保障の手厚さ ★★★
割安感 ★★★
総合評価 ★★

保障は薄いけど割安感が高いとか、診断給付金重視型とか、商品ごとに個性があります。の多い少ないだけで商品を評価するのは危険です。

ただし、「終身ガン治療保険プレミアムDX」の場合、耐久性に難があります。耐久性は、品質の根本に近いことなので、気になります。

各評価項目の趣旨・意味

上の評価項目のうち、補足説明が必要そうなものについて、その趣旨とか意味合いを以下で説明します。

保障の手厚さ・幅広さ

がんは、日本人にとって最も重要な病気の一つだけに、医療技術の開発は活発です。治療法は多岐にわたります。

多様ながん治療を、どれだけ幅広くフォローできるかを判定しています。

プラン設計の柔軟性

がん保険から出る給付金は、加入している本人が自分のために使います。よって、加入者それぞれの、預貯金、収入の見込み、健康への心配事などに、柔軟に対応できることが望ましいです。

また、すでに医療保険や医療特約に入っていると、がん保険は、それらと共存できる入り方をしたいです。

保障プランを柔軟に設計できると、加入者のニーズに適確に応えられますし、保障のムダをなくせて経済的です。

耐久性

がん保険は、一生続ける可能性が高い保険です。保険を使うのは、加入してから数十年後になるかもしれません。

長い年月保険料を払い込んで、いざ保険を使うときになって、保障が経年劣化していては困ります。

あたり前のようですが、これができていないがん保険は、意外とあります。

診断給付金の手厚さ

医療技術の進歩に伴い、がんの治療法は多様化しています。今後もこの傾向は続きそうです。

そうした変化にもっとも力強く応えてくれるのが診断給付金(一時金)です。

また、早いタイミングでお金が手元に来るので、使い勝手も良いです。

診断給付金は、ほぼすべてのがん保険にありますが、中身は少しずつ異なります。

通院保障の手厚さ

がんの入院保障(保険による入院費用の準備)は、現代の医療保険やがん保険の入院給付金で、十分に対応できます。

一方、通院保障については、がん専用の通院給付金を提供する商品は増えているものの、まだまだ発展途上です。

医療保険との相性

医療保険に入っている人が、がん保険に入る場合、どちらも医療系の保険なので、保障の重複が起こりやすいです。

重複は保険料のムダづかいになります。医療保険との組み合わせやすさを判定しています。

経年劣化しやすい主契約

「終身ガン治療保険プレミアムDX」の主契約は、以下の3つの給付金からできています。

ご覧のように、治療給付金をメインとした構成です。

がん保険は、商品によって仕組みに大きな差があります。大きく分けると、(1)入院給付金メイン、(2)診断給付金(一時金)メイン、(3)治療給付金メインの3タイプあります。

「終身ガン治療保険プレミアムDX」は、(3)の典型的な商品です。

治療給付金には、いくつかのメリットがありますが、看過できない大きな欠点があります。

医療技術が進歩したら、治療法が変わる

がんは、昭和56年以降、日本人の死因の第1位を堅持しています。

そういう病気なので、医療技術の研究・開発は活発です。医療技術が進歩したら、変化するのは治療法です。

治療法が改善されて、これまで10日の入院が必要だったのが5日に短縮されるとか、入院しなくても通院で実施できるとか。

ときには、これまでとは違うアプローチの治療法が登場することもあるでしょう。

年数が経っても劣化しにくい給付金

医療技術が進歩しても、がんという病気が撲滅されるまでは、診断給付金は使えます。というか、がんが撲滅されたら、がん保険そのものが不要になります。

また、治療法が発達したところで、治療の受け方は、入院か通院(往診を含む)のままでしょう。だから、入院給付金通院給付金も、それなりに長持ちしそうです。

治療給付金は劣化のリスクが大きい

では、手術給付金とか、放射線治療給付金とか、抗がん剤治療給付金とか、ホルモン剤治療給付金のような、治療給付金はどうでしょう?

手術や放射線治療や抗がん剤治療が、20年30年で廃れることは想像しにくいです。しかし、これらのどの治療法にも当てはまらない、新しい治療法が登場する可能性は、けっこう高いと思われます。

「終身ガン治療保険プレミアムDX」のような、治療給付金をメインとしたがん保険は、このような新しい治療法に対応できない危険があります。

がん保険は、一生の保険として加入することが多いです。そんながん保険が、数十年で劣化するようでは、欠陥品と言うほかありません。

耐久性の低さは、大きな欠点です。少なくなとも、50代までの人にはお勧めできません。60代の方でも微妙です・・・

将来、新しい保険に入り直せるとは限らない

保険が古くなったら、新しいものに入り直したくなります。でも、そのときに健康状態が思わしくなければ、加入できないかもしれません。

加入できても、年齢に合わせて、保険料はかなり高くなります。それが障害になるかもしれません。

新しいものに入り直せないなら、劣化したがん保険を、我慢して続けることになります。

高齢者にとっては、選択肢の一つになる

「終身ガン治療保険プレミアムDX」は、名称の通り終身(一生涯)の保険です。それなのに経年劣化の危険が大きいので、お勧めできません。

ただし、以下で説明するように、保障内容には優れた点がいくつもあるので、この先10年位使えれば良いと割り切れるなら、悪い選択肢ではありません。

健康状態に問題がなければ、80歳まで「終身ガン治療保険プレミアムDX」に加入できます。

医療保険と組み合わせやすい

「終身ガン治療保険プレミアムDX」の魅力の一つが、医療保険との組み合わせやすさです。

医療保険とがん保険の組み合わせは“あり”

がんは、日本人の二人に一人がかかり、三人に一人が亡くなる病気です。

そんな重要な病気なので、医療保険は当然がんに対応しています。

医療保険でがん対策するなら、特約付加が必須

ただし、医療保険は入院保障がメインです。よって、x医療保険の主契約だけでは、通院でおこなわれる高額な治療をカバーしきれません。

医療保険でがんに対策するには、特約の付加が必須です!

そこで、ほとんどの医療保険では、がんのために複数の特約を用意しています。これらの特約を付加すれば、医療保険だけでも、がんに対策できます。

医療保険+がん保険も、検討の価値あり

ただし、医療保険のがん特約は、がん保険ほど充実しているわけではありません。

また、がん単独ではなく、がんを含めた三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)の特約を提供する商品もあります。

がんだけ保障を強化したい人にとっては、やり過ぎになります。

そんなときは、医療保険とがん保険を組み合わせるほうが、希望にあった保障を手に入れることができます。

また、すでに医療保険に入っていて、がんの保障を追加したいときも、2つの保険を組み合わせることは有効です。

がんの保障は、新しい方が無難

現在入っている医療保険に、がんの特約が用意されているかもしれません。それを今から付加できるかもしれません。

しかし、どうせがんの保障を付けるなら、昔のがん特約より、最新のがん保険を選ぶほうが安心です。

医療保険とがん保険に別々に入ると、保険契約が2つになるので、手続きと管理の手間は増えますが、それ以外のデメリットはありません。

医療保険と組み合わせやすい仕組み

「終身ガン治療保険プレミアムDX」の主契約は、放射線治療給付金と抗がん剤・ホルモン剤治療給付金です。

入院給付金や診断給付金を差し置いて、これらの給付金を主契約に組み込むのは異例です。他社で似たような例はありません。

この商品単体で見ると少し奇妙にみえます。がん保険に慣れていないと、自分に合ったプラン作成に失敗する危険すらあります。

しかし、医療保険と一緒に加入するときには、この仕組みが強みを発揮します。

医療保険の主契約は、入院給付金手術給付金を主契約とした、入院保障中心の保険です。まれですが、手術給付金が特約になっているものもあります。

医療保険の入院給付金と手術給付金は、もちろんがんでも使えます。

医療保険とがん保険にいっしょに入ったときに、がん保険に入院給付金と手術給付金が付いていると、医療保険とカブってしまいます。

保障の重複は、保険料のムダにつながります。

「終身ガン治療保険プレミアムDX」なら、入院給付金も手術給付金も主契約に含まれていません。

誤って、入院特約や手術特約を付加しない限り、医療保険と組み合わせても、保障は重複しません。

医療保険とがん保険を組み合わせる

保障の品揃えは充実していて、痒いところに手が届く

治療給付金メインの仕組みは大きな欠点ですが、そこに眼をつぷることができたら、「終身ガン治療保険プレミアムDX」の保障はなかなか充実しています。

以下のような給付金が用意されています。

給付金 保障の付け方 概要
放射線治療給付金 主契約 放射線治療を受けたら、月ごとに10〜30万円出る(金額は加入するときに決める)。
抗がん剤・ホルモン剤治療給付金 主契約 抗がん剤治療、ホルモン剤治療を受けたら、月ごとに10〜30万円出る(金額は加入するときに決める)。
自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン剤治療給付金 主契約 公的医療保険適用外の、抗がん剤治療、ホルモン剤治療を受けたら、月ごとに20〜60万円出る
悪性新生物保険料払込免除 特約 がんの診断が確定したら、以降の保険料払込が免除される。
ガン先進医療給付金 特約 先進医療にかかる技術料(通算2,000万円限度)
ガン先進医療支援給付金 特約 先進医療1回につき15万円。
ガン診断給付金 特約 初めてがんと診断されたときか、前回の給付から2年経過後にがんで入院したとき。1回につき50万円から100万円。回数無制限。ただし2年に1回。
ガン通院給付金 特約 入院前60日以内、退院後365日以内の、がんの通院が対象。日額は5,000〜3万円の範囲で指定できる。
ガン入院給付金 特約 ガンの入院が対象。日額は5,000〜3万円の範囲で指定できる。
ガン手術給付金 特約 ガンのための手術が対象。1回につき10〜60万円の範囲で指定できる。
ガン緩和療養給付金 特約 ガンで入院または通院し、疼痛緩和(痛みを和らげる)の治療を受けたら、1ヶ月につき10〜60万円。
ガン診断後ストレス性疾病給付金 特約 ガンと診断確定されてから5年以内に、所定のストレス性疾病になったら、5〜20万円の一時金。
ガン長期入院時差額ベッド給付金 特約 ガンで8日以上入院し、差額ベッド代がかかるときは、1日につき10,000円。

一通りのものはそろっている上に、ガン緩和療養給付金ガン診断後ストレス性疾病給付金ガン長期入院時差額ベッド給付金など、他社では珍しい特約が複数あります。

また、部分的とは言え、自由診療(健康保険などの公的医療保険が適用されない診療)に対応しているのも、芸が細かいです。

保障の品揃えとしては、競合他社を上回る充実ぶりです。

主契約と特約の組み合わせ方次第で、さまざまなニーズに応えることができます。

ただ、個々の特約をチェックしていくと、強いものもあれば、弱いものもあります。

以下で補足説明します。

診断給付金にはスキがあり、通院給付金は手薄

医療技術の進歩により、がんの治療は多様化しています。

特に、放射線治療、抗がん剤治療のような、以前は入院でおこなわれた治療が、通院でおこなわれるようになっています。

それに合わせて、入院・通院の分け隔て無く保障できるように、がん保険も改良されています。

チューリッヒ生命は治療給付金重視で対応したけれど・・・

チューリッヒ生命は、それが入院でおこなわれるか通院でおこなわれるかにとらわれず、がん治療の実際に合わせて、治療給付金をきめ細かく提供することで、課題をクリアしています。

たとえば、放射線治療を受けたら、入院だろうと通院だろうと、放射線治療給付金が出る・・・というように。

治療給付金

ただし・・・

今後新しい治療法が登場しても、すでに加入している保険に、新しい治療給付金が加わるわけではありません。

新しい治療給付金が欲しいなら、新たに保険に入らなければなりません。

チューリッヒ生命の対応は、目先の問題を解決できたけれど、別の問題を抱え込みました。

診断給付金

診断給付金(ガン診断特約)は、がんの診断が確定したらもらえます。50万円か100万円のどちらかを選べます。

素早く手続きしたら、治療開始前か開始直後くらいに給付金を受け取ることができます。

そして、入院費用としても、通院費用としても、自由に使うことができます。

というように、診断給付金は、有能で頼りになる給付金です。

ただし、一つ問題があります。

診断給付金は、2年に1回を限度に、回数無制限で受け取ることができます。

それは良いのですが、2回め以降の診断給付金を受け取るには、がんのための入院することが条件になっています。

ということは・・・

前回診断給付金をもらってから2年経過後に、がんが再発して通院しても、一時金は出ません。

「終身ガン治療保険プレミアムDX」の診断給付金は、中途半端で物足りません。

通院給付金

「終身ガン治療保険プレミアムDX」のガン通院給付金(ガン通院特約)はショボイです。

以下の条件のいずれかを充たさないと、給付金は出ません。

要するに、がんで入院したときに、その前後の通院費用が出るだけです。

救いは、退院後1年以内の通院をカバーすることです。たとえば、退院後に、引き続いて通院で抗がん剤治療を受けるケースでは、役に立ちます。

とは言え・・・

入院しないで、通院だけで治療するときは、まったく役に立ちません。

現代のがん通院給付金としては、物足りません。

保障プラン作成の自由度が高く、保険料を大幅に安くできる

がん保険は、生命保険会社が扱う保険商品の中で、商品内容の差が大きいです。そのため、複数商品を比べるとき、見積もり条件を同じにするのが困難です。

よって、商品ごとに、保障と保険料のバランスを見較べることになります。

保障をギリギリ薄くして、保険料を安くできる

「終身ガン治療保険プレミアムDX」は、治療給付金に大胆に軸足を置いた、ユニークながん保険です。

そのため、単純に保険料を算出して他社商品と比べても、高いか安いかを一概には言えません。

ただし、保障プラン作成の自由度が高いので、その気になれば、保険料をうんと安くできます。この点は「終身ガン治療保険プレミアムDX」の強みと言えます。

4つの年齢で、女性の月払い保険料(終身払込)を試算しました。

保障内容を薄くしたとき(主契約に「ガン入院特約」「ガン手術特約」を付加)と、厚くしたとき(すべての特約を付加し、給付金額は最大)の、2通りの保険料を算出しました。

加入年齢 保障薄め 最高値
30歳 1,550円 9,441円
40歳 1,574円 11,875円
50歳 1,720円 14,807円
60歳 2,005円 18,138円

チューリッヒ生命には、月払保険料1,500円以上というルールがあります。このルールをクリアするために、見積もりをするときに特約の給付金額で調節しました。

そのため、厳密に言うと、年齢によって少しずつ保障の厚みが違っています。

60歳以上くらいの方々には、選択肢になる

上表のように、シンプルな保障で良ければ、60歳でも保険料を抑えることはできます。

上の薄い保障プランの方でも・・・

なので、十分に実用的です。

ちなみに60歳だったら、ガン手術特約(10万円)をはずこともできます。保険料は1,795円に下がります。

というように、「終身ガン治療保険プレミアムDX」の保障プランの柔軟性を活かして、予算に合った入り方ができます。

上の方で、保障の経年劣化の不安を指摘しましたが、年齢が高い方であれば、経年劣化の被害を受けにくいです。

年齢が高くて、がん保険で足りなければ自腹を切れる、という方なら、「終身ガン治療保険プレミアムDX」は選択肢に入りそうです。

比較していただきたい競合商品

「終身ガン治療保険プレミアムDX」を検討している方々に、比較していただきたい競合のがん保険を、ご案内します。

朝日生命「スマイルセブンsuper」

いわゆるがん保険ではありません。がんの他に、以下の病気が対象です。

主契約は一時金です。金額は30〜500万円の範囲で指定でき、年1回を限度に、回数無制限で受け取ることができます。

支払い条件は病気毎にきめられていますが、がんは「終身ガン治療保険プレミアムDX」の診断給付金と同じく、がんまたは上皮内新生物の診断確定です。

特約は3つだけで、入院給付金とか通院給付金はありません。

FWD富士生命「新ベスト・ゴールドα」

主契約は診断給付金のみというシンプルながん保険です。

診断給付金は、最高300万円まで指定できます。2年に1回を限度に、回数無制限で受け取ることができます。

初回は診断確定が支払い条件で、2回目以降は、がんのための入院開始か通院することが条件です。

上皮内新生物は、主契約では保障されません。特約を付加すれば、保障されます。

特約は8つあり、いろんなニーズに対応できます。ただし、入院給付金とか通院給付金はありません。

マニュライフ生命「こだわりガン保険」

診断給付金を中心とした、シンプルな仕組みですが、他社にない特徴が色々とあります。

三井住友海上あいおい生命「ガン保険スマート」

主契約は入院給付金と手術給付金という、昔ながらのスタイルです。医療保険と組み合わせるのには、向いていません。

特約は6つですが、診断給付金(ガン診断給付特約)と通院給付金(ガン治療通院給付特約)も用意されています。

通院給付金の内容がとても優れています。がんと診断確定された日から5年間の通院が保障されます。5年経過後に再度診断が確定したり入院したら、さらに5年間保障されます。

診断給付金も、1年に1回を限度で100万円が出ます。これなら診断給付金だけでも、治療費の大半をカバーできそうです。

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