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オリックス生命のがん保険「がん保険ビリーブ」を徹底分析

オリックス・グループは、1964年設立の金融サービスグループです。

オリックス生命は、グループ企業の一つで、1991年から営業を始めました。

会社としての歴史が浅く、大手保険会社や外資のバックアップがあるわけではないので、総資産はまだ小さいです。

ただし、若い会社らしく、思い切りの良い商品をいくつも世に送り出しており、商品開発力には定評があります。

そのおかげで、業績を順調に伸ばしています。2017年度末の個人保険新規契約高(新契約年換算保険料)では、全41社中16位でした。

オリックス生命と順位の近い生命保険会社を以下に抜き出しました。

順位 会社名 新規契約高
12位 ソニー生命 727億円
13位 三井住友海上プライマリー生命 667億円
14位 アクサ生命 521億円
15位 三井住友海上あいおい生命 501億円
16位 オリックス生命 451億円
17位 朝日生命 325億円
18位 太陽生命 314億円

そんなオリックス生命のがん保険「がん保険ビリーブ」を徹底分析します。

オリックス生命「がん保険ビリーブ」の強み・弱みを総チェック

オリックス生命「がん保険ビリーブ」のメリット・デメリットを、このサイトが重視する7つの切り口でチェックしました。

7つの切り口で、「がん保険ビリーブ」を評価

「がん保険ビリーブ」を、7の切り口で評価しました。

評価はの数で表します。最高が★★★で、最低が★★★です。

★★が不満のない水準です。

評価項目 評価
保障の手厚さ・幅広さ ★★
プラン設計の柔軟性 ★★★
耐久性 ★★
医療保険との相性 ★★★
診断給付金の手厚さ ★★
通院保障の手厚さ ★★
割安感 ★★
総合評価 ★★

保障は薄いけど割安感が高いとか、診断給付金重視型とか、商品ごとに個性があります。の多い少ないだけで商品を評価するのは危険です。

「がん保険ビリーブ」は、がん保険としては、入院の保障に力点がおかれています。それだけ見ると、かなり充実しています。

しかし、通院で使える給付金は少なく、ちょっとバランスが偏っているように見えます。

以下は、厚生労働省『患者調査』(平成26年)もとに、ここ10年くらいの、がんの入院患者数と通院患者数の推移をまとめたグラフです。

この10年間の、がんの通院患者数の推移グラフ

10年位前から、入院患者数より、通院患者数のほうが多くなっています。そして、この傾向は、今後さらに強まりそうです。

各評価項目の趣旨・意味

上の評価項目のうち、補足説明が必要そうなものについて、その趣旨とか意味合いを以下で説明します。

保障の手厚さ・幅広さ

がんは、日本人にとって最も重要な病気の一つだけに、医療技術の開発は活発です。治療法は多岐にわたります。

多様ながん治療を、どれだけ幅広くフォローできるかを判定しています。

プラン設計の柔軟性

がん保険から出る給付金は、加入している本人が自分のために使います。よって、加入者それぞれの、預貯金、収入の見込み、健康への心配事などに、柔軟に対応できることが望ましいです。

また、すでに医療保険や医療特約に入っていると、がん保険は、それらと共存できる入り方をしたいです。

保障プランを柔軟に設計できると、加入者のニーズに適確に応えられますし、保障のムダをなくせて経済的です。

耐久性

がん保険は、一生続ける可能性が高い保険です。保険を使うのは、加入してから数十年後になるかもしれません。

長い年月保険料を払い込んで、いざ保険を使うときになって、保障が経年劣化していては困ります。

あたり前のようですが、これができていないがん保険は、意外とあります。

診断給付金の手厚さ

医療技術の進歩に伴い、がんの治療法は多様化しています。今後もこの傾向は続きそうです。

そうした変化にもっとも力強く応えてくれるのが診断給付金(一時金)です。

また、早いタイミングでお金が手元に来るので、使い勝手も良いです。

診断給付金は、ほぼすべてのがん保険にありますが、中身は少しずつ異なります。

通院保障の手厚さ

がんの入院保障(保険による入院費用の準備)は、現代の医療保険やがん保険の入院給付金で、十分に対応できます。

一方、通院保障については、がん専用の通院給付金を提供する商品は増えているものの、まだまだ発展途上です。

医療保険との相性

医療保険に入っている人が、がん保険に入る場合、どちらも医療系の保険なので、保障の重複が起こりやすいです。

重複は保険料のムダづかいになります。医療保険との組み合わせやすさを判定しています。

入院に手厚く、通院に薄いバランスの保障内容

「がん保険ビリーブ」の主契約を構成する給付金と、その支払条件を下表にまとめました。

給付金 支払条件 入院・通院
がん初回診断一時金 がんと診断確定(1回のみ) 入院・通院を問わない
がん治療給付金 がんのために入院開始 入院
がん入院給付金 がんのために入院 入院
がん手術給付金 がんのための所定の手術 入院・通院を問わない
がん退院一時金 10日以上入院の後、退院 入院

5つのうち、「がん治療給付金」「がん入院給付金」は、そのものズバリ入院の保障です。

「がん退院一時金」は、通院費用にも使えますが、どちらかと言うと入院後のケアのための保障です。

「がん手術給付金」は通院でも出ます。とは言え、通院でできる手術は、ごく初期のがん・良性腫瘍がほとんどのようです。

がんの三大治療うち2つは、通院が多い

今日では、手術、放射線治療、抗がん剤治療の3つが、がんの三大治療とされています。

公益社団法人日本放射線腫瘍学会の統計データよると、2015年度の放射線治療のうち、通院は62%、入院は37%だったそうです(1%は不明)。

また、少し古いデータですが、厚生労働省「化学療法等の外来・入院別実施状況調査」によると、平成22年度に抗がん剤治療を受けた人のうち、通院患者は68.5%でした。

放射線治療、抗がん剤治療は、過半数が通院でおこなわれているようです。

「がん保険ビリーブ」は通院軽視!?

「がん保険ビリーブ」の主契約のうち、通院による放射線治療や抗がん剤治療に使えるのは、「がん初回診断一時金」です。

がんの診断が確定すると、100万円が出ます。100万円あれば、診断確定後に放射線治療や抗がん剤治療を受けても、十分にカバーできるはずです(高額療養費制度を使うのが前提です)。

ただし、診断一時金が出るのは1回きりです。

よって、初めてがんと診断されて手術を受けたものの、数年後に再発して通院で抗がん剤治療を受ける、というようなケースでは、主契約からは1円も出ません。

初回のときに受け取った診断一時金を、使わないで貯金していたら、それを再発の治療費に当てられます。

とは言え、がんの再発が見つかったときに、がん保険から1円も出ないのは・・・

他社なら診断一時金が複数回出る商品もある

診断一時金は、がんの診断が確定したらもらえます。その後、どんな治療を受けるかに左右されません。

また、素早く手続きしたら、治療開始前か開始直後くらいに給付金を受け取ることができます。入院費用にも、通院費用にも、他の目的にも使えます。

というように、診断一時金は、強力な給付金です。

がんにかかったり、転移や再発が見つかるたびに、100万円くらいの診断一時金をもらえれば、他の給付金がなくてもやっていけそうです。

「がん保険ビリーブ」の診断一時金は、1回しか出ませんが、他社のがん保険には、診断一時金(保険会社によっては診断給付金)が複数回出る商品もあります。

ただし、診断一時金を厚くすると、保険料はかなり高くなります。

オリックス生命が、診断一時金を1回のみとしたのは、保険料を抑えるためかもしれません。

長い目で見ると、通院保障を厚くしたい

一般論として、通院治療は、入院治療に比べると、短期間のまとまった出費になる危険性は低いです。

ただ、放射線治療は、治療は連日ですし、治療期間にしろ費用にしろ、手術より大きくなる可能性が高いです。

通院であっても甘く考えることはできません。

抗がん剤治療は、短期集中にはなりにくいです。ただし、自己負担を累計すると、手術入院並になる恐れはあります。

現在でも、高額ながん治療が通院でおこなわれるケースは増えていますが、この傾向は今後も拡大しそうです。

理由の一つめは、医療技術の進歩です。

そして2つめは、国の医療費負担を下げるために、入院を減らす政策を国が採っているからです(病院への診療報酬とか)。

がん通院特約には、長期的な不安材料がある

オリックス生命は、通院の保障を厚くしたい人のためにがん通院特約を用意しています。

「がん保険ビリーブ」の主契約だけでは、通院の保障に不安があるので、できるだけ付加していただきたいです。

がん通院特約の支払条件

「がん保険ビリーブ」のがん通院給付金は、以下のいずれかの通院をしたときに出ます。

現在を基準にすると、他社のがん通院給付金と比べて、見劣りする内容ではありません。起こりうるほとんどのケースをカバーできそうです。

ただ、この内容だと、将来的な不安はあります。というのは、2つ目の支払条件の中で、具体的な治療法が指定されているからです。

医療技術が進歩すれば、治療法が変わる

給付金の支払条件に、具体的な治療法が指定されていると、カッコよく見えるかもしれません。

しかし、長期的に考えると、このことは欠点になります。

がんは、日本人の二人に一人がかかり、三人に一人の死因になっている病気です。それだけに、がん治療の研究・開発は活発です。

そして、医療技術が進歩すると、変わるのは治療法です。入院期間が短くなったり、通院でも治療できるようになったり、服薬だけで直せるようになったり。

ときには、それまでになかった、新しいタイプの治療法が登場するかもしれません。

入院しないで、通院のみで治療するとき、「がん保険ビリーブ」で保障されるのは「手術」「放射線照射」「温熱療法」「抗がん剤治療」の4つの治療法に限定されています。

がんの三大治療(手術、放射線照射、抗がん剤治療)を一通りカバーできているので、現時点ではけっこう役に立ってくれます。

しかし、20年後30年後に、新しい治療が普及したとして、おそらくそれに対応できません。

現在でも、「がん保険ビリーブ」の条件に合わない治療法はあります。20年後30年後を想像すると、不安を感じます。

がんは、高齢になるほど発症しやすい病気なので、将来に不安のある保障は、お勧めできません。

将来他の保険に入り直す、という考えは邪道

現在のがん保険が時代遅れになったら、そのときに、新しいものに入り直せば良いという考え方は、邪道です。

がん保険は、入る年齢が高くなるほど、保険料も高くなります。そして、健康状態に問題があると、最悪加入できません。

もし新しい保険に入り直せなかったら、時代遅れの保険をそのまま続けなければなりません。

そもそも保険は未知の不安に備えるものです。そこに「将来も健康で、新しい商品に入り直せるだろう」という楽観論を持ち込むと破綻します。

一生続けるかもしれないという前提で、年数が経っても劣化しにくい入り方をしましょう。

プラン設計の柔軟性が低く、医療保険と組み合わせにくい

保険加入者には、それぞれ個別の事情を抱えています。

医療系の保険は初めてという人かもしれないし、医療保険または医療特約に入っているかもしれません。治療費のすべてを保険でカバーしたい人かもしれないし、高額になったときだけ保険を使いたい人かもしれません。

あいにくと、「がん保険ビリーブ」は、さまざまなニーズに応える柔軟性が乏しいです。

主契約の保障だけでも重複する

保険に入るとき、保障の重複はできるだけ避けたいです。保険料のムダが発生します。

保障の重複を防ぐには、主契約(加入必須の保障)は誰にとっても必要な保障に絞り込んで、後は加入者が任意に特約を付けられるのが、望ましいです。

ところが、「がん保険ビリーブ」の主契約は、重複しまくりです。

主契約には(1)がん初回診断一時金、(2)がん治療給付金、(3)がん入院給付金、(4)がん手術給付金、(5)がん退院一時金の5つからできています。

このうち、(1)がん初回診断一時金は、他のすべてと重複します。そして、(2)と(3)も重複します。(2)と(4)も重複します。

これらの重複により、もっぱら入院保障が分厚くなっています。しかし、健康保険などの高額療養費制度を使えば、そもそもがんの入院は高額になりにくいです。

高額療養費制度を使うと、入院日数の長さで、わたしたちの自己負担が決まります。

がんの平均入院日数は19.9日で、全体平均31.9日より10日以上短いです(厚生労働省「患者調査」(平成26年))。がんは、1回あたりの入院費用に限っては、高額になりにくいです。

「がん保険ビリーブ」のように、入院保障を何重にも厚くする必要はありません。

なお、詳しくは[高額療養費制度の使い方](./cost-kogaku.html)をご覧ください。

医療保険と組み合わせると、入院給付金が重複

医療保険は、入院給付金を主契約とした、入院保障中心の保険です。

入院給付金は、加入するときに入院1日あたりの給付金額を決めて、実際に入院したら、その日数分の給付金を受け取ることができる、という仕組みです。

もちろん、がんで入院しても、医療保険の入院給付金は出ます。

オリックス生命「がん保険ビリーブ」の主契約には、がん入院給付金が組み込まれています。

よって、医療保険と「がん保険ビリーブ」にいっしょに加入すると、入院給付金が重複します。

もちろん、がんで入院したときは、入院給付金を二重に受け取るつもりで、わざと重複させるのならOKです。

ただ、上で説明したように、入院給付金に二重に加入する意義は乏しいです。

保険料は、競合商品と比較すると、やや割高感がある

「がん保険ビリーブ」の主契約には、5つの給付金が組み込まれています。主契約なので、加入者が望んでも外せません。

保障内容とのバランスで考えると、保険料は決して高くありません。しかし、上で説明したように、それぞれの給付金に重複があります。

とにかく入院保障を厚くしたい人には合っているかもしれません。

しかし・・・

保障のムダは避けたいとか、必要最小限の保障にしたい人には、「がん保険ビリーブ」向きません。

ところで、がん保険は、生命保険会社が扱う保険商品の中で、商品内容の差が大きいです。そのため、複数商品を比べるとき、見積もり条件を同じにするのが困難です。

そこで、最小限の保障プラン(必須の保障のみ)の保険料を、メットライフ生命のがん保険「ガードエックス」と比較しました。

加入年齢 メットライフ生命 オリックス生命
30歳 1,332円 2,445円
40歳 1,831円 3,176円
50歳 2,383円 4,000円
60歳 2,957円 4,856円
70歳 3,138円 5,725円

メットライフ生命「ガードエックス」の主契約は治療給付金だけです。よって、保障の重複はありません。

所定のがんの治療(手術・放射線治療・抗がん剤治療)を受けるか、末期がんで入通院をしたら、50万円が通算5回まで出ます。

給付金の数と種類ではオリックス生命の方が上回っているので、保険料が高いことには納得できます。

しかし、メットライフ生命の保障で十分と感じる人にとっては、オリックス生命はムダに高く見えるかもしれません。

もし「がん保険ビリーブ」に加入するなら・・・

ここまで「がん保険ビリーブ」の仕組みや機能をチェックしましたかが、見過ごせない問題点が複数見つかりました。

  1. 主契約に、複数の保障の重複があり、保険料にムダがある。
  2. 保障が入院に偏っていて、通院で使える保障が少ない。
  3. 通院給付金は、20年後30年後には、劣化する恐れがある。

1が引っかかる人は、他のがん保険を検討するしかありません。

2が気になったら、がん通院特約を付加することで対処できますが、この特約には3のような不安材料があります。

お勧めの対処法としては・・・

がんの診断一時金を受け取ったときに、再発・転移に備えて貯金していおきたいです。

比較していただきたい競合商品

「がん保険ビリーブ」を検討している方々に、比較していただきたい競合のがん保険を、ご案内します。

朝日生命「スマイルセブンsuper」

いわゆるがん保険ではありません。がんの他に、以下の病気が対象です。

主契約は一時金です。金額は30〜500万円の範囲で指定でき、年1回を限度に、回数無制限で受け取ることができます。

支払い条件は病気毎にきめられていますが、がんは「がん保険ビリーブ」の診断給付金と同じく、がんまたは上皮内新生物の診断確定です。

特約は3つだけで、入院給付金とか通院給付金はありません。

FWD富士生命「新ベスト・ゴールドα」

主契約は診断給付金のみというシンプルながん保険です。

診断給付金は、最高300万円まで指定できます。2年に1回を限度に、回数無制限で受け取ることができます。

初回は診断確定が支払い条件で、2回目以降は、がんのための入院開始か通院することが条件です。

上皮内新生物は、主契約では保障されません。特約を付加すれば、保障されます。

特約は8つあり、いろんなニーズに対応できます。ただし、入院給付金とか通院給付金はありません。

マニュライフ生命「こだわりガン保険」

診断給付金を中心とした、シンプルな仕組みですが、他社にない特徴が色々とあります。

三井住友海上あいおい生命「ガン保険スマート」

主契約は入院給付金と手術給付金という、昔ながらのスタイルです。医療保険と組み合わせるのには、向いていません。

特約は6つですが、診断給付金(ガン診断給付特約)と通院給付金(ガン治療通院給付特約)も用意されています。

通院給付金の内容がとても優れています。がんと診断確定された日から5年間の通院が保障されます。5年経過後に再度診断が確定したり入院したら、さらに5年間保障されます。

診断給付金も、1年に1回を限度で100万円が出ます。これなら診断給付金だけでも、治療費の大半をカバーできそうです。

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